��大辞林第3版より引用)
私は、こういう記述は嫌いだ。
このような記述は、意味がない。なぜなら、何の説明もしていない、同語反復のトートロジーであるからだ。人が辞書を引くとき、普通は意味を知りたい時ではないだろうか?しかし、そこに意味は記されていない―無意味な作業というわけだ。
そんなことを好んでする利用者は、誰もいないであろう。
したがって、
語とその意味のカタログという辞書本来の性質と、利用者の利用目的の観点から、
辞書における語の記述は、説明的な叙述・定義であるべきである。
意味を表現することができる。
ところが、
日本のいわゆる「国語辞典」には、ここで例に挙げた大辞林のように、こういう類の「無意味な」記述が多すぎる。その結果、シソーラス(類語辞典)ともディクショナリ(国語辞典)ともつかぬものとなってしまっている。
それこそ「品質」が低すぎる。
一方で、OALDではどうか。
qual" ity noun, adj.
> noun (pl. -ies)
1 [U, C] the standard of sth when it is compared to other things like it; how good or bad sth is: to be of good / poor / top quality * goods of a high quality * high-quality goods * a decline in water quality * When costs are cut product quality suffers. * Their quality of life improved dramatically when they moved to France.
2 [U] a high standard syn excellence: contemporary writers of quality * We aim to provide quality at reasonable prices. * Get it right, even if it takes time; it’s quality not quantity that matters.
3 [C] a thing that is part of a person’s character, especially sth good: personal qualities such as honesty and generosity * to have leadership qualities * She has all the qualities of a good teacher. * It’s hard to find people with the right qualities for the job.
4 [C, U] a feature of sth, especially one that makes it different from sth else: the special quality of light and shade in her paintings * His voice has a rich, melodic quality.
5 [C] (BrE) = quality newspaper
(http://www.oup.com/oald-bin/web_getald7index1a.pl
より引用。ここでは名詞だけを引用した。発音記号は、表示上の問題から削除)
その記述の量もさることながら、記述の仕方が、全然違うことに、気付くことができる。たとえば、1は
その何か(sth)と同じようなものと比較するときの
sthの水準;いかに良いか悪いかの
と言っている。
無論、「水準」とは何かという疑問があるだろう。しかしこの語(quality)が、複数の比較対象の存在によって規定される;良い・悪いを判断する尺度であることは、理解できる。
「品物の質」などという馬鹿げた記述より、はるかに明瞭な定義であり、説明だ。
(大辞林の記述にさらに付言すれば、品質は、べつに品物(有体物)にだけ成り立つものでもあるまい。サービス品質などともいうだろう)
今後いくつかの国語辞典について、主に語の記述の観点から、比較を行ってみたい。
まとめ
・日本語の辞書(国語辞典)は、品質が悪い
・辞書における語の記述は、説明的な叙述・定義であるべきである
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