概要
前回のエントリ
で、 Vimperator を使用して、Webページの入力欄のテキストを好みのエディタ (xyzzy) で、編集する方法を示した。
しかしながら、この方法だと、 xyzzy の自動判定により、ときどき意図しないエンコード(*encoding-sjis*) で、一時tmpファイルを開いてしまう現象が起きる。
そこで本エントリでは、 Vimperator の editor で xyzzy を利用する場合、強制的に文字コードを指定して一時ファイルを開くためのワークアラウンド(ラッパBATファイルの作成)を、紹介する。
調査
コマンドラインや初期設定ファイル (.xyzzy) で、 change-fileio-encoding などで指定した結果がなぜ反映されないのか、以下の3つの観点から、調査した。
(1) Vimperator の editor コマンド文字列
Vimperator の set editor で与えたコマンド文字列は:
コマンド文字列 一時ファイル名
という形式で、実行される。
つまり、何も対策しないままだと、一時ファイル名は、コマンドに対する最後のオプションとして指定されることになる。
(2) xyzzy コマンドライン・オプションの順序性
xyzzy のコマンドライン・オプションの形式は:
起動時の引数は以下の形式を受け付けます。 xyzzy [-image dump-file] [-config config-directory] [-ini ini-file] [-q|-no-init-file] (other-option|file)* -image、-configまたは-iniを指定する場合は、それ以外のオプションより前になければなりません。 また、-qまたは-no-init-fileを指定する場合は-image、-configおよび-ini以外のオプションの先頭に なければなりません。
とされている。
ここで、このコマンドライン・オプションを含む諸設定は:
初期設定ファイル→コマンドライン・オプション
の順に、実行される。また上記引用のように、コマンドライン・オプションが複数指定されている場合、左から順に、解釈される。
(3) xyzzy ファイル読み込み時の文字エンコーディングの判定
与えられたコマンドライン・オプション中、指定されたファイル名を読み込む際、 xyzzy の
ツール>共通設定>読み込みタブ
が、「自動判定」になっていたならば、自動判定が実行される。これは、ファイル名指定の前に文字コードの指定 (*default-fileio-encoding*) があろうと・なかろうと、実行される。
分析
調査の結果から:
- vimperator は、ファイル名を、editor に設定されたコマンドの最後につけて呼び出す
- xyzzy は、ファイルを開く時に、指定のあり・なしに関わらず再度、文字エンコーディングを自動判定している
- よって、自動判定が正しくない場合に、文字コードの指定を期待通りに行うには、ファイル名指定よりも後で、行う必要がある
ことが判明した。
解
以下のようなBATファイルにより、xyzzy のファイル名の後ろに文字エンコーディングの設定 (revert-buffer *encoding-utf8n*) をするラッパを作成し、 vimperatorrc の set editor には、このラッパを指定する:
BATファイル: vimpexyzzy.bat
@echo off rem /////////////////////////////////////////////////////////////////// rem // vimpexyzzy.bat - wrapper bat for 'set editor' of vimperator. rem // enables xyzzy to specify encoding on reading a file with revert-buffer. rem // rem // Aug. 2011 http://voidptr.seesaa.net rem /////////////////////////////////////////////////////////////////// "c:\Program Files\xyzzy\xyzzy.exe" -m html-mode ^ -e "(setq *default-fileio-encoding* *encoding-utf8n*)" ^ -e "(set-buffer-fileio-encoding *encoding-utf8n*)" ^ -e "(change-fileio-encoding *encoding-utf8n*)" ^ "%1" ^ -e "(revert-buffer *encoding-utf8n*)" @echo on
Vimperator の初期設定ファイル: _vimperatorrc の editor の設定
set editor='C:/Program\ Files/xyzzy/vimpexyzzy.bat'
これにより、指定の文字エンコーディングでファイルが読み直されるため、所望の結果を得ることができる。
Conclusion
- Vimperator で外部エディタを起動するとき、文字エンコーディングが意図していない SJIS (*encoding-sjis*) となってしまうことが、あった
- xyzzy 起動時のオプションでは、ファイル名の後ろで、文字エンコーディングの設定を行う必要があることが、分かった
- BATファイルによるコマンドのラッパを作成し、ファイル名の後ろで文字エンコーディングを指定することにより、Vimperator で、所望の文字エンコーディングで一時ファイルを編集することが可能になる
Future Works
もっとスマートなやり方はないものか……
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